ご自身の歯・口を一生美しく健康に保つ方法 From Hideki Yoshikawa

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2014年 06月 29日

器具の使い回し 米国オクラホマ州でのニュース 後編

うっとうしいお天気が続いていますが、如何お過ごしですか。

最近、歯科の器械を扱っている業者の方とお話すると、歯を削るドリル、コントラと言いますが、これを滅菌する簡易型の器械の注文が殺到し、生産が追い付かず来年まで入荷しないということです。

この当たり前に行われていると思われていた感染症対策が如何におろそかにされていたかと言うことです。

皆様によくご理解頂きたいのは、滅菌する器械さえ買えば安全が確保出来て安心であると言えるかどうかは甚だ疑問です。

その理由は感染症対策には「時間」 「お金」 「人の手」が必要だからです。

私の治療するチェアタイムは1時間以上を確保するようにしていますので感染症対策は出来ますが、もし治療時間が20分だとすると、感染症対策など出来る訳はありません。

もし保険中心の歯科医院で感染症対策を完全に行おうとすると次のようなことになるでしょう。

患者さんをチェアに誘導し最初に、術者アシスタントが触る部分をすべてビニールでラッピングします。それから、本日の治療について説明しこれで5分。それから治療の前準備としてお口の中を消毒したり、ラバーダムをかけたり、滅菌バックを破いて、コントラ類をセットするとこれだけで5分。片づけて次の患者さんのために清掃する時間を5分とすると、これだけで合計15分。正味の治療時間は約5分となります。

日本の歯科は歯を削ることで保険診療は成り立っていて、平均歯科医師1人あたり25人程度、1時間に3人の患者さんを診療すると言われているので5分の治療のためにコントラ類を滅菌出来るでしょうか?

結論になりますが、私は保険中心の医院では不可能だと思います。

国の指導、態度もおかしいですね。こんな大事なことがタブーになっています。

現場に丸投げです。

個々の歯科治療費が安いことで薄利多売になり感染症対策が行われないとなると国も責任にもなりかねません。

日本でこのようなことが以下のようなことがおこらないことを祈るばかりです。
以下、キンバリー事件の続編を貼り付けます。
NPO法人GINA Blogを貼り付けます。

 前回は1991年に米国で起こったセンセーショナルな「キンバリー事件」を紹介し、キンバリーさんのHIV感染は、歯科医師が故意に感染させたという当初の見方は誤りではないか、ということを述べました。

 では、なぜ歯科医師と同じ遺伝子のHIVがキンバリーさんに感染したのか・・・。仮説の域を出ませんが、今回はまずはこのことについて話を進めていきたいと思います。

 キンバリーさんに歯の治療をおこなったアーサー歯科医師(男性)が同性愛者であったことは判っています。そして、アーサー歯科医師は性行為を介してHIVに感染したであろうことはほぼ間違いありません。そして、ここからは噂になりますが、どうもアーサー歯科医師には複数のパートナーがいて、さらに相当奔放な性交渉の趣味があったのではないかと言われています。

 ということは、アーサー歯科医師の性交渉の相手のひとりが、あるいは複数人が、性交渉の相手というだけでなく、アーサー歯科医師の患者でもあった可能性もないわけではないと考えられます。

 もちろん、このような調査は当時の地方警察もしくはFBIによっておこなわれています。そしてアーサー歯科医師の性交渉の相手が、アーサー歯科医師の治療を受けていた、という証拠は出なかったそうです。

 しかし、です。奔放な性生活を送っていたアーサー歯科医師の性交渉の相手が何人いたのかを正確に把握することは相当困難なはずです。恋人のように何度も逢引を重ねていた関係ならわかるでしょうが、一度だけの性交渉の相手となると、捜査に限界があると考えるべきでしょう。特に、いわゆる「ハッテンバ」で、お互いの名前も知らないような関係で、暗がりのなかただ一度の性交渉をもった、という関係では、相手がアーサー歯科医師と知らないで、性交渉を持っている可能性がでてきます。

 「ハッテンバ」では、自分の本名や職業を言わないこともあります。というより、初めからは言わないのが普通でしょう。まして職業が歯科医師とくれば、それを隠そうとするのは当然です。

 つまり、地方警察やFBIが把握できていないだけで、アーサー歯科医師と関係を持った男性が患者として、アーサー歯科医師の治療を受けていた可能性があるというわけです。そして、場合によっては、アーサー歯科医師も、この患者もお互いに性交渉を持った関係だということに気づいていないまま治療を施し治療を受けていた、ということだってないとは言えません。このような関係であれば捜査線に上がってこないのも無理もありません。

 また、こういうことも考えられます。アーサー歯科医師と関係を持っていた男性がいたとして、アーサー歯科医師のクリニックが休診日の日に、アーサー歯科医師の治療を受けていた可能性です。アーサー歯科医師が、彼にとって「特別な人」を自分の歯科医院に呼んで治療を施した。お金を受け取らず無料で治療をおこなったこともあり、あえてカルテを書かなかった、ということもないとは言えません。

 しかし、ここでひとつの疑問がでてきます。仮に、アーサー歯科医師と性的関係をもった男性がアーサー歯科医師の治療を受けていたとしても、歯科医院であれば当然器具の滅菌をおこなっているはずです。HIVはそれほど生命力が強いわけではありませんから、通常の滅菌をおこなっていれば、患者→医療器具→患者、というルートでの感染などあるはずがないではないか、という疑問です。

 では、この疑問にお答えしましょう。たしかにHIVはB型肝炎ウイルス(HBV)などと比べると、感染力は非常に弱いと言えます。しかし、例えば歯牙を削るのに使うハンドピースや研磨器の奥にウイルスが侵入し、ある程度湿度があれば丸1日くらいは生き延びることは理論的にはありえます。もちろん適切な滅菌をしていればこのようなことは防げます。

 問題は、本当に"適切な"滅菌ができていたかどうかです。前回私は、当時サラリーマンをしており、米国の歯学部の学者と共に仕事をしていた、と述べました。当時の私はある商社に努めており、歯科医療で用いる滅菌システムの販売促進に携わっていました。今でこそ、歯科医院でのトータルな滅菌処置は常識になっていますが、当時は、日本ではまだ煮沸消毒で済ませているところもあったくらいで、完全な滅菌ができていたとは言い難い状況でした。米国では日本よりは進んでいましたが、すべての歯科医院が21世紀におこなわれているのと同じレベルで滅菌がおこなわれていたかどうかは疑問です。実際、それらが不充分であったからこそ、米国で滅菌に関する商品やシステムが開発されたわけです。

 私の仮説は、①アーサー歯科医師と関係をもったHIV陽性の男性患者がアーサー歯科医師のクリニックで治療を受けた、②その男性患者は捜査線上に上がってこなかった。場合によってはその患者もアーサー歯科医師も過去に性的接触をもったことに互いに気づいていなかった、③歯科医院での滅菌が不充分であった、というものです。

 ここで、私の仮説を裏付ける・・・、とは言えませんが、歯科医院でのHIV感染が実は少なくないのではないかと考えたくなる「ある事実」を紹介したいと思います。それは、当時のアメリカでは、感染ルートがまったく不明のHIV感染が少なくなかった、ということです。

 つまり、性交渉の経験が一度もなく(あっても特定の相手とだけでその相手はHIV陰性で)、薬物の針の使い回しなどの経験もなく、もちろん母子感染もありえないというHIV陽性者が少なからずいたのです。違法薬物のことは他人に言いたくありませんし、性交渉にしてもそれが特定の相手とのものでなければ隠したいものですから、「感染ルート不明のHIV感染」は、単に自分の過去を偽っているだけ、という場合もあるでしょう。しかし、例えばまだ中学生で、あきらかにリスク行為のないような感染者も当時のアメリカでは少なくなかったそうです。

 話を現在に戻しましょう。前回紹介したように、米国オクラホマの歯科医院で治療を受けてHIVとC型肝炎ウイルスに感染した人が21世紀のこの時代に実際にいるわけです。そして2013年3月、保健当局はさらに感染者がいる可能性を考え7千人もの(元)患者に検査を呼びかけたのです。

 さて、この院内感染が<極めて特殊な例>と言い切ることができるでしょうか。院内感染については楽観視をしてはいけません。医療先進国のアメリカで実際にこのようなことが起こっているわけです。ちなみに、アメリカでは、「2004年3月から2008年1月の間に、南ネヴァダの内視鏡センターで麻酔の注射をした人はHIVなどに院内感染した可能性がある」という発表が2008年2月にラスベガス当局によりおこなわれました。

 日本ではどうでしょう。2007年12月に、神奈川県茅ヶ崎市のある病院で、心臓カテーテル検査を受けた患者5人が相次いでC型肝炎を発症したという事件が報道されています。医療器具の使い回しなど、医療者からみれば考えられないことなのですが、このように実際に現代の日本でもあるのが現実なのです。

 格安のレーシック手術を手がけ、100人近い患者に院内感染で感染症を発症させた東京のG眼科のM医師が逮捕された事件はまだ記憶に新しいと思います。この事件では、角膜感染で視力を失った事例などが報道されましたが、具体的な病原体については発表されていません。このなかにHIV感染がなかったのかが気になります。(HIVが角膜や結膜から感染したとしてもすぐには症状がでませんから今後発覚するかもしれません)

  私は、院内感染の恐怖をいたずらに煽りたくはありません。なぜならほとんどの医療機関では適切な滅菌がおこなわれており(あるいは使い捨てのものが使われており)、院内感染が、特にHIVに関しては、起こるとは思えないからです。

 しかし、実際にオクラホマの事件や茅ヶ崎市の病院やG眼科のことを考えると、医療機関を受診し、何らかの施術を受ける度に、「院内感染、大丈夫ですよね」と尋ねざるを得ないかもしれません。尋ねたところで、事実に関係なく「大丈夫です」と言われるだけでしょうが・・・。

千葉市美浜区の歯科 感染症対策なら吉川歯科医院

by yoshikawa-dc | 2014-06-29 05:51 | 感染症対策 | Comments(0)
2014年 06月 27日

精度の悪いクラウンが根の先に病気・膿を作る

はっきりしない梅雨空が続いています。

このブログでは今までクラウン修復の質、精度について多く書いてきましたが、このことについて興味深い文献がありご紹介致します。

クラウンの質は根の治療の予後にも影響するということです。

1995年のRay先生とTrope先生の文献
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Endoは歯内療法のこと、Restrationは修復、クラウン、かぶせ物のこと、Apiは根の先に病気がないこと、つまり成功です。

根管治療とクラウンが両方グッドだと成功率は91%、根管治療、クラウン両方バッドだと成功率は18%

以前のブログでもわが国の根管治療の成功率について記載しておりますのでこちらも参考にして下さい。

東京医科歯科大学の須田教授はこのように仰っています。
日本の歯科医師が歯内療法を行う環境は困難を極めてている。保険診療における歯内療法の低評価は誰でもが認める事実であり、米国の一般開業歯科医による根管処置料金の中央値(2007)は、わが国の社会保険診療報酬の7倍以上である。

また、日本歯科医学会が2005年に発表したタイムスタディー調査結果から算出すると、大臼歯の根管処置において、審査から根管充填までの合計所要時間は2時間以上である。

解り易く言うと、日本では根管治療は不採算部門なので成功率が3割~5割であり、時間がかけられず無菌的な処置が行われていないことがその理由です。

この文献は治療中に細菌が歯の中に入ってしまう失敗だけではなく、クラウンが歯にぴったりと合っていないと、クラウンと歯の間から細菌が進入し根管内を根の先端まで伝わって根の先に膿を作るということを証明した研究です。

正しい原理原則を守った治療と守らない治療ではこのように結果に差があります。

千葉市美浜区の歯科 歯周病 インプラントなら吉川歯科医院

by yoshikawa-dc | 2014-06-27 19:53 | 歯内療法・根管治療 | Comments(0)
2014年 06月 25日

藤本研修会 歯内療法コース 第2回に参加

先週末21日・22日は横浜の藤本研修会歯内療法コース 第2回に参加して参りました。

歯内療法とは歯の中を触る治療を指します。
歯の中には歯髄と呼ばれる組織があり歯髄とは神経と血管で成り立っています。

建築を建てる時の基礎工事となるような治療なのでとても重要です。

歯の中を如何に無菌的にするか、そして歯の中の空洞を緊密に充填し細菌が存在していたとしても、細菌を埋葬する位、緊密に詰めるかということを追求する学問です。

講師の米国歯内療法専門医の石井 宏先生の講義、そして志の高い若い先生方が多く勉強になりました。

千葉市美浜区の歯科 歯周病 インプラント 顕微鏡歯科なら吉川歯科医院

by yoshikawa-dc | 2014-06-25 07:27 | 研修 学会 | Comments(0)
2014年 06月 18日

器具の使い回し 米国オクラホマ州でのニュース 前篇

日本でも歯科の器具の使い回しが話題になっていますが、アメリカではすでに法律で器具の滅菌が義務つけられています。

NPO法人GINA Blogを貼り付けます。

米国オクラホマ州で、歯科医院での治療を受けた患者がHIVとC型肝炎ウイルス(以下、HCV)に院内感染していたことが明らかとなりました。

 2013年3月28日、同州の保健当局は、同州タルサにあるこの歯科医院で治療を受けたおよそ7千人にHIVとHCVの検査を呼び掛けました(注1)。

 HIVとHCVに感染したその人が、その歯科医院の治療で感染したことを証明するのは簡単ではないと思いますが、報道からはその詳細までは分からないものの、保健当局の綿密な調査により院内感染であることが「確定」したそうです。

 報道によれば、この歯科医院では医療器具を複数の患者に使い回ししており、滅菌処置を怠っていたことが調査により明らかになっています。


 世界に目を向けてみると、過去にはリビアでの集団HIV院内感染事件や、カザフスタンでの院内感染が報告されたことがあります。しかし、アメリカでの院内感染、それもその理由が「医療器具の使い回し」であることが判明したわけですから、この事件はアメリカ人にとって大変ショッキングなものでしょう。

 では日本ではありえない話なのか、ということを考えたいのですが、その前に、アメリカの歯科医院でHIV感染、となると、どうしても触れないわけにはいかない事件について述べていきたいと思います。

 「キンバリー事件」という事件を聞いたことがあるでしょうか。

 1991年9月、キンバリー・バーガリスという名の20代前半の米国人女性が車椅子で米国連邦議会の公聴会に出席し証言しました。この女性は、敬虔なクリスチャンであり、性交渉の経験がなく、違法薬物の針の使い回しなどHIVに感染する要因がまったくないのにもかかわらずHIVに感染しエイズを発症しました。調査の結果、キンバリーさんが通院していた歯科医院でHIVに感染したことが明らかとなったのです。

当時のマスコミは、車椅子に座り必死で証言するキンバリーさんの様子を中継し、全米で(あるいは全世界で)かなりセンセーショナルな事件と捉えられました。

 1987年12月、当時19歳だった彼女は近所の歯科医院で治療を受け、歯科医師デイビット・アーサーから感染させられたのです。この時期、すでにこの歯科医師はエイズを発症していたらしく、1990年9月に死亡しています。

 1991年当時、HIVには有効な薬剤が存在していませんでした。車椅子の生活を余儀なくされていたキンバリーさんは、HIV感染により神経系にも障害をきたしていたのでしょう。この時点でエイズが相当進行した状態であったと言えます。1991年12月8日、キンバリーさんは23歳という若さで他界されました。

 90年代前半、私自身が何をしていたかというと、大阪でサラリーマンをしていました。大阪のある商社の海外事業部に所属していた私は、アメリカ人の歯学部の学者と仕事を共にする機会がありました。その学者は米国で歯科衛生士に教育をする立場にあり、日本の衛生士にも知識と技術を伝えるために来日していたのです。

 当時はまさか将来自分が医師になりHIVに関する活動をするなどとは考えたこともなかったのですが、キンバリー事件が気になっていた私は、この学者に、「感染力がさほど強くないHIVが、歯科医師から患者に感染するなどということが本当にあるのか」、という質問をしてみました。

 この学者の返答は、「HIVは感染力が大変弱く、通常の診療行為であれば治療者から患者に感染するとは考えられない。キンバリー事件は、歯科医師が"故意に"感染させたとしか思えない」、というものでした。さらに彼女(この学者)は、「これは私だけの考えではなく、米国の医療関係者の間で一致している意見である」、と言っていました。

 なぜ、歯科医師が自分の患者に自分のHIVを故意にうつす、などという理解不能な行為に出たのかはわかりませんが、「これは極めて特殊なケースであり、歯科治療でHIVの院内感染が起こるなんてありえない」、と当時の私は納得しました。

 しかし、ずっと後になってから、歯科医院が故意にHIVをうつした、のではなく、この事件は医療器具の使い回しによる院内感染ではないか、とみる意見が有力視されるようになってきたことを知りました。

 なぜ、歯科医師からキンバリーさんにHIVが感染したことが確実とみなされたかというと、その歯科医師に感染していたウイルスとキンバリーさんに感染していたウイルスの遺伝子が一致したからです。このことから、他にリスクのないキンバリーさんは、歯科医院でその歯科医から感染したことが間違いないと見なされたわけです。

 その後の調査で、この歯科医院でHIVに感染したのはキンバリーさんだけでないことが判りました。他に5人の患者がこの歯科医院でHIVに感染したことが遺伝子の解析から明らかとなったのです。

 さて、仮にこの歯科医師が"狂っている"としても、合計6人もの患者に故意にHIVを感染させる、などということができるでしょうか。もしそのようなことを計画したとしても、いったいどのようにすれば感染させることができるのでしょう。HIVはB型肝炎ウイルス(HBV)とは異なり、ウイルスが唾液や汗に含まれているわけではありません。仮に手袋とマスクをせずに、自分の汗や唾液が患者の口腔内に入ったとしても感染は考えられません。

 まさか自分の精液を患者の口腔内に注入するなどということはありえないでしょうから、感染させるには、自分の血液を患者の歯肉や抜歯後の組織に付着させるという方法をとらなければなりません。しかし、たとえこの歯科医師の手に傷があったとしても、流血があるような状態でなければ感染させることはほぼ不可能です。もしも流血があるほどの手で治療をしようと思えば、周囲のスタッフや患者が気づくはずです。

 自分の血液を採取しておいて、それを麻酔薬に加えて患者の歯肉に注射すれば感染させることは可能です。しかし通常麻酔薬は透明ですから、血液を加えれば色が付き、歯科衛生士や歯科助手にばれてしまいます。自分の血液を遠心分離機にかけて上澄み液(血漿)を採取し、麻酔薬に加えれば可能かもしれませんが、この場合も多少は色がつくはずです。それに通常、麻酔薬をシリンジ(注射器)に吸い取る行為は歯科衛生士や歯科助手がおこないますから、いつもと違うことに気付かれるはずです。故意に自分のHIVを他人に感染させる、などということが発覚すれば、歯科医師生命は終わりますから、そのようなバレやすい方法をとるとも思えません。

 100%断定することはできませんが、現在では、このキンバリー事件の真相は、アーサー歯科医師が故意に自分のHIVを患者に感染させたのではなく、医療器具の滅菌が不充分であり、患者から患者に感染したのではないか、という意見の方が説得力があります。

 では、なぜ歯科医師のHIVと患者のHIVが遺伝子レベルで一致したのか。仮説の域を出ませんが、一応は納得ができる説があります。

 次回はその「説」を紹介し、今後このようなことがアメリカで、そして日本を含む他の国でもおこりうるのか。歯科医院だけでなく一般の医療機関ではどうなのか。そしてこのような悲劇を防ぐために、医療機関は、行政は、そして患者は何をすべきなのか、などについて検討していきたいと思います。


注1:米国ではほとんどのマスコミがこの事件を報道しています。Reuterでは「Oklahoma warns 7,000 dental patients of HIV, hepatitis risk」というタイトルで詳しく報じています。下記URLを参照ください。
http://www.reuters.com/article/2013/03/29/us-usa-health-oklahoma-idUSBRE92S0DN20130329 

参考:GINAと共に第21回(2008年3月)「院内感染のリスク」

by yoshikawa-dc | 2014-06-18 08:24 | 感染症対策 | Comments(0)
2014年 06月 07日

読売社説 2012.05.24.歯科の滅菌問題

読売の社説を貼り付けます。

歯科の滅菌問題 院内感染防止策を徹底せよ
2014年05月24日 01時15分
 多くの歯科で、医療機器の滅菌処置が不十分な実態が明らかになった。院内感染防止策の徹底が急務である。

 患者の唾液や血液に触れる歯科の医療機器には、病原菌を他の患者にうつすのを防ぐ措置が欠かせない。

 例えば、歯を削るドリルの柄の部分は、院内感染対策を示した日本歯科医学会の指針で、患者ごとに交換し、高温の蒸気で滅菌するよう定められている。

 ところが、患者ごとに必ず交換している歯科医療機関は34%に過ぎないことが、国立感染症研究所などの調査で分かった。

 「交換していない」という回答も17%に上った。簡単なアルコール消毒や洗浄で済ませ、繰り返し使っている歯科も多いのではないか。これではウイルス感染の恐れが残ってしまう。

 歯科の患者には、感染症への抵抗力が弱い乳幼児や高齢者も多い。感染防止策の心もとない実態には不安が募る。

 歯科での院内感染は、原因の特定が難しいこともあり、国内では報告されていない。だが、表面化していないケースはないのだろうか。米国ではB型肝炎などの院内感染例がある。

 院内感染を防ぐには、歯科医ら医療スタッフ自らが病原菌から身を守ることも大切だ。患者から医師らが感染し、他の患者にうつす可能性があるからだ。

 今回の調査では、B型肝炎ワクチンを接種している歯科医は約6割にとどまった。患者の血液や唾液の飛散から防護する眼鏡やマスクの着用も徹底されていない。

 健康に見える人でも、病原菌を持っている場合がある。どの患者も感染源になりうるという前提で対策を講じることが肝要だ。

 日本では、医療行為を介した感染被害が繰り返されてきた。代表例が、予防接種の注射器の使い回しによる肝炎感染である。

 厚生労働省は2010年、病院に対し、専門の感染対策チームを常駐させれば、診療報酬を上乗せする仕組みを導入した。

 歯科でも、機器を滅菌して患者ごとに交換すれば、診療報酬の加算が認められているが、金額は病院に比べて大幅に少ない。

 歯科医の増加で、歯科医院は過当競争になっている。経営が苦しく、高額な滅菌装置を設置する余裕のないところもあるという。

 歯科医療の安全性を高めるため、政府と歯科関係者は、診療報酬のあり方も含め、具体策を検討してもらいたい。

2014年05月24日 01時15分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

by yoshikawa-dc | 2014-06-07 08:19 | 感染症対策 | Comments(0)
2014年 06月 07日

STOP 使い回し

http://www.kavo.co.jp/wp-content/themes/twentyeleven2/images/pdf/pamphlet/handpiece/maintenance/900J.pdfKaVoのPDFファイルをご覧ください。
歯を削る器具の滅菌が社会問題化しそうです。
私どもの医院ではドイツ製の滅菌器具KaVo社のステリマスターとクアトロケアを使い万全の対策を講じていますのでご安心下さい。

千葉市美浜区の歯科 歯周病 インプラントなら吉川歯科医院

by yoshikawa-dc | 2014-06-07 08:11 | 感染症対策 | Comments(0)